映画やドラマといった実写映像作品の撮影において、群衆の中の一人みたいな役を無料でやってあげる、エキストラというやつをやってみた。
ある知人が最近エキストラやることにハマってるみたいでその様子をちょくちょくインスタに上げているのを見て、なんとなく自分もそういうの一回経験してみたいなあと思ったから。
僕自身は実写の映画やドラマはあまり観ない側の人間。最後に映画館で観た実写映画は1年以上の前のブレット・トレインだと思う。邦画に限ると10年前の永遠の0とかまで遡りそう。
やってみるかと家で一人で酒のんでぼーっとインスタ眺めてるときに思いつき、どうせ抽選外れるやろと適当にたくさん応募したら結構当選してしまい、いくつかの断りの連絡を入れた。本当にごめんなさい。本当に予定が合う2件だけ、参加することにした。
1件目
東京23区内某所、駅前で集合だった。
集合時間から10分経っても音沙汰なしで、近くで同じくずっと立ってるエキストラ参加者っぽい人に声をかけてみたら「私も連絡きてないんです…」とのことだった。集合時間から30分過ぎたところで、なんか待ってるのが嫌になったから帰ろうと改札を通ったところで架電があった。遅れてるからちょっとまってほんまごめんといった内容だった。めっちゃ謝り倒されたから入場取り消しして集合場所に戻った。
なんやかんやで集合時間から1時間過ぎたくらいでエキストラ参加者以外の人たちと合流して、説明が始まった。エキストラ参加者は10人くらい。男性は自分ともう一人の若い男の子のみで、残りは20〜50代くらいの女性だった。
メインの登場人物?が歩く道のゴミゴミ感を演出するための通行人役だった。メインっぽい役者さんは二人いて、どちらも自分よりやや下くらいの若い女の子だった。
スタッフさんたちは全部で20人くらい。たぶん。そのうち、主体的に一番指示出ししている人と、その人といろいろ喋ってるちょい偉いっぽい人がいた。どっちかが監督さんなんだろうか。どちらも30代くらいかなあ。
自分はスタッフさんたちの指示に従って、指定された場所を歩くだけ。普通に歩いてくださいって言われたから普通に歩いた。
同じカットでも4〜5回くらい撮り直す。そして別の場所に移動して同じように複数繰り返す。
途中の待機時間で同じエキストラ参加者と喋ったりした。
自分と別のもう一人の男の子に話を訊いてみた。年齢は19歳で、こういうエキストラ何回かやったことあるとのこと。こういうの趣味なんですか?ときいてみたらちがいますと否定された。趣味ではなくガチってことはなんかこういう映像系のお勉強されてるんですかとさらに聞いてみると、深堀りしてほしくなさげなかんじで肯定された。めんどくせえなこいつと思ったからそれ以上はなしかけるのをやめた。
多数をしめるおばちゃんらとはたくさんしゃべった。みなさんやはり趣味でエキストラに参加されているらしい。撮影場所の近所のグルメ情報で盛り上がった。
黒いコートを着て行ったら、「黒いコートの通行人なんていくらいてもいいから複数シーンで使える」とスタッフさんに喜んでもらえた。そういうものらしい。
帰りに記念品としてステッカーもらえた。もちろん報酬はゼロ円。
なんやかんやで新しいことを知れて面白かったから良かった。
2件目
関東某所の公共施設内での撮影だった。車で行った。
1件目は1〜2時間だけだったけど、今回は終日。朝8時集合。
集合時間前からスタッフさんがいてくれて、施設内の空調の効いた控室に案内してくれた。人数分椅子もあって快適な控室だった。途中で監督さんがご丁寧に挨拶に回ってきてくれたのが印象的だった。
エキストラ参加者は全部で30人くらい。そのうち10人くらいが男性だった。やはりおばちゃんが多い。前回同様社交的なおばちゃんが多く、待ち時間でカメラが回ってない間はずっと喋ってて楽しかった。エキストラ参加希望者のおばちゃん率は高いから応募しても落ちやすく、若い男性はほぼ確実に当選するから羨ましいと言われた。真偽は定かではないが、こういうの好きなのって男性より女性のが多そうな印象があるし、たぶん実際そうなんだと思う。特に平日の昼間の撮影だと僕みたいに平日休みにできる(代わりに週末働いてる)自営業の人間か学生くらいしか応募してこないだろう。
今回も趣味でエキストラ行きまくってるおばちゃんだちが多数で、他の撮影でのお話を聞いたりしてた。セリフありのエキストラもやったことあるらしい。僕はスポーツ経験一応あると言ったら、それが活かせる(?)エキストラもあるらしい。例えば水泳経験者を集めてプールで泳がせたりするらしい。それちょっと面白そうかも。現場の近所のお住まいの方も複数いて、耳寄り地元情報(旨い飯屋)を聞いたりもしてた。おばちゃんらとベラベラ喋っててなんやかんやで待ち時間もあっという間に過ぎた。
エキストラとしての仕事は、広い公共施設内での利用者の役だった。役者さんたちがなにか演技している後ろでてくてく歩いてたりなにかしてたりはたまた自然に横切ったり。結構細かく演技指導された。前回と比べて予算規模が確実に大きい作品ぽかったし、力の入れようを感じた。午前午後で何カットも撮った。
お昼にお弁当をいただいた。初めて見る弁当屋さんだなあと思って調べてみたら、ロケ弁で有名なところらしい。それ専門に営業かけてる業態がある模様。すごい。
撮影は夜19時まで続くらしいという話だった。自分は予定空けていたから本来は最後までいるつもりだったが、どうしても避けられない急用ができてしまったため途中で離脱した。本当に申し訳ない。他にもちらほら途中で抜けていく人がいた。朝8時から夜19時までタダで拘束はみんな厳しいんだろう。
帰りに記念品としてクリアファイルをいただいた。
おばちゃんたちとのおしゃべりが楽しい一日だった。
まとめ
やったことないことをやってみるのは楽しかった。でもこれっきりでいいかも。平日比較的自由に動ける立場とはいえ他にやらなければいけないことややりたいことはいっぱいあるし。
どれだけ僕の写ったシーンが使われるのか、それが僕とわかるくらいに写り込んでいるのか、よくわからないけど、何らかの映像作品に僕っぽい人が写り込んでるのを確認できたら教えてもらえると喜びます。