日商簿記検定 3級 受けた

日本商工会議所(以下、日商)がやってる、日商簿記検定の3級を受けた。

日商は民間団体である*1ため、合格したからといって当然に業務独占資格が得られるものではない。

簿記は日商によるこれの他に多数あるらしい。有名なものでは高校生向けの「全商簿記」と専門学生向けの「全経簿記」があり、それぞれその分類の学校が加盟している法人が実施している。試験ビジネスはカネになるから外部ではなく身内で集まって実施したほうが良いとか、受験対象層にあわせた難易度を独自に設定できて有益だとかそういう理由がありそう。

今回受けた日商簿記の3級は、前述の全商簿記と全経簿記では2級に相当する難易度らしい。ややこしい。とりあえず社会人向けの資格試験としては入門編っぽい。ITパスポートとかそういう水準。たぶん。

動機

婚約者*2が受けようとして、参考書を買っており、それを自分も読んで受けようと思ったから。彼女がなぜ受験しようとしたのかはよくわからん。

申込

CBT試験を利用した。簿記3級はほぼ365日日本全国どこかの会場で受けれる。試験会場に空席があれば、受験3日前まで予約/変更可能という自由さ。

受験料は消費税手数料ぜんぶ含めて3850円。こないだ受けた某試験の3割程度のお手頃価格で非常にありがたい。

勉強

婚約者の家に置いてあった、TAC出版の「スッキリわかる 日商簿記3級」を読んだ。

初学者向けでめっちゃ平易だった。

ゴエモン、クロキチ、シロミといった猫のキャラクターたちのイラスト交えて解説されていて、商取引に馴染みのない中学生でも十分に理解できそうなくらいのわかりやすさだった。

滝澤ななみ (2024) 2024年度版 スッキリわかる 日商簿記3級 TAC出版 24頁
滝澤ななみ (2024) 2024年度版 スッキリわかる 日商簿記3級 TAC出版 24頁

ゴエモンたちが可愛くコミカルに描かれていて、癒やされて本当に良かった。あらゆる初学者向けの本はキャラクター交えたほうが良い*3

そもそも今回、日商簿記3級を受けようと思ってこの本を開いたわけではなかった。婚約者の家で暇なときにソファで転がりながら目についたこの本を開いたら、ゴエモンのおかげで特に勉強している意識なくスラスラ最後まで読めてしまったから、せっかくなら受けるかという流れ。

そんな感じでまあいけるやろと勉強っぽい勉強をしなかった。

しかし、直前になって参考書の巻末の予想問題を一応一回はやってみるかと試してみたら、仕分けだけの第1問はともかく、応用問題?の第2問と第3問が全然解けなかった。

同じシリーズの予想問題集*4を開いて、試験開始までの限りある数時間で第2問と第3問の解説を読んでコツを掴もうとしてみた。

解説がわかりやすく、なんとなくいけそうな気はしたが、悩む時間が長く試験時間の60分のあいだに解き切れるかでいうと微妙な気持ちのまま、試験を迎えた。

舐めずに最初からもっとしっかり熟読すればよかった。これで落ちたらごめん、ゴエモン

受験

試験受けに行く前に、念の為にと試験情報を確認していたら、関数電卓は持ち込み禁止ということに気付いた。気付けて良かった。関数電卓以外の電卓を持っていなかったから、近所の100円均一で電卓を買ってから向かった。

銀座駅直結、歌舞伎座タワー5階にあるCBTの施設に行った。

cbt-s.com

サービス停止でいま滅茶苦茶大変そうなドワンゴ*5の従業員と思しき人たちとすれ違った。お疲れ様です。

受付の人に名前を言って、本人確認用の身分証を見せて、持ち込みする電卓と身分証以外の荷物をロッカーに入れて、説明が書かれた紙と計算用紙を渡されてから、試験場に入った。

パソコンがある程度間隔あけて十数台置かれていた。同じ簿記の検定受けている人が多いのか、電卓叩く音が響いていた。

指定された席に座り、さっき渡された紙に書かれた情報*6をパソコンに入力し、試験開始。

単純な仕分け第1問→PLとBSを作る第3問→なんかいろいろ出てくる第2問の順番で回答していった。

案の定時間が足らず、第2問の途中で時間切れになってしまった。第1問と第3問は絶対にケアレスミスがあるからそれの見直しもしたかったのに、それも叶わず…。

結果

簿記3級のCBT試験では、試験終了後に即結果が画面に表示され、そのまま印刷してもらい持って帰ることができる。

日商簿記3級 CBT試験 試験結果の紙

合格した。ありがとうゴエモン

合格ラインは70点。つまりギリギリセーフ!

言い訳としては、電卓がうまく使えなかった*7ことと、勉強不足で悩む時間が多く最後まで解けなかったこと。

配点は第1問が45点、第2問が20点、第3問が35点。全部解いたはずの第1問と第3問も失点している。ケアレスミスが多いんだと思う。

確実に合格するには、予想問題や過去問をいっぱい解いて、高速かつ正確に仕分けできるように訓練することが大事だと思った。

同じ2冊でしっかり勉強した婚約者は92点で合格だったそう。ぼくが70点でギリギリ合格だったのは努力不足であり、ゴエモンたちに何ら悪いことは無いといえる。

なお、正式な合格証書はWebで表示できる。紙で送られてきたりはしない。こういうコストカットによりお手頃な受験料が維持されているのかあ。

感想

なんとなくで済ませていた基礎的な会計の知識をつけることができてよかった。

いつも税理士さんに作ってもらっている仕訳帳をより正しく読めるようになった。

次へのステップアップ、つまり簿記2級受験はしばらくはええかな。婚約者の家に同じシリーズの簿記2級の本があったから、気が向いたら読み進めたい。パラパラめくった感じ、ゴエモンが工場を建てて製造業を始めていた。すごい。ぼくも工場を建てられるくらい立派な人間を目指し、がんばりたい*8

*1:日商は歴史的経緯により設置根拠となる法律がある特殊法人ではある。ただし基本的に会員である民間人/法人(厳密には日商の会員である商工会議所/商工会の会員である民間人/法人)らによって自律的に動いており、行政からのトップダウン的な監督機能はほぼ存在せず、特別な権威性があるわけでもないただの民間組織であると考える。

*2:去年末にプロポーズした。来年入籍予定。

*3:形式は違うが、高専生の頃にお世話になった「やる夫で学ぶディジタル信号処理」を思い出した。

*4:予想問題集も婚約者が持っていた。

*5:歌舞伎座タワーに事務所がある。

*6:ランダム英数字っぽいID/パスワードだった。

*7:関数電卓ではない電卓を久々に触り、式を長々と打って表示することができないことにより正しく電卓打ててるか自信が無く何回も同じ計算していた。

*8:うそです。